子供が「ユーチューバーになりたい!」と言い出したらどうしますか?
止める? 応援する?
今や職業の選択肢として当たり前にランキングするユーチューバー(You Tuber)について解説します。
子どもがユーチューバーになりたいと言い出したら?
将来はユーチューバーになって大金持ちになる!!
ユーチューバーになりたいと言い出したけど、
成功するなんてひと握りの人だけでしょ?
それに顔出しするのは危険じゃないかと不安があります。
小学生の子どもがユーチューバーになりたいと言い出したら、親としてどのように受け止めるのがいいでしょうか?
本記事の内容
- 小学生が将来なりたい職業
- 小学生に人気のチャンネル
- YouTubeで成功出来るか
- 保護者としての意見
- 体験談
このブログを書いている筆者は小学生男児の母です。
子どもとゲーム動画を立ち上げてYouTubeで配信をしています。
そんな私が「子どもがユーチューバーになりたい」と言ったときについて解説します。
ユーチューバーとは
Youtuber(ユーチューバー)とは、
動画共有サイトYouTube上で自主制作の動画作品を継続的に公開している個人および組織であり[1]、その中でも特にYouTubeチャンネルに重点を置いて活動している配信者たちを指している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/YouTuber
と書かれているように、継続的に動画を公開し、それを生業としている人を指します。
~You Tuber~小学生が将来なりたい職業の上位にランキング
2021年子どもの将来なりたい職業はユーチューバー!
大手通信教育会社のベネッセが2021年11月末に行った「2021年の出来事や将来に関する小学生の意識調査」によると、小学生がなりたい職業の1位はユーチューバーだそうです。
男女別で見ると以下の通りです。
- 1位……ゲームクリエイターorプログラマー
- 2位……ユーチューバー
- 3位……サッカー選手
- 1位……漫画家、イラストレーター、アニメーター
- 2位……芸能人
- 3位……ユーチューバー
得票数の総合でユーチューバーが1位という結果に
数年前から聞こえ始めたユーチューバーという職業。
「お金持ちになりたい!」「有名になりたい!」「自分を見て欲しい!」……など、理由は色々ありますね。
HIKAKINやはじめしゃちょーみたいになりたいな!
学習塾などを運営する学研グループの学研教育総合研究所の発表では、Youtuberは2位にランキングされています。
男女の学年別で調査結果が発表されており、
女の子よりも男の子の方が全体的にYoutuberなどのネット配信者を夢見る子どものランキングは高いようです。
ユーチューバーの人気が高いことがわかりますね
親は知らない!?小学生に人気のYouTubeチャンネル
子ども向け動画制作スクール「フルマオンライン」を運営するFULMAが、スクール生に行ったアンケートによると以下のチャンネルが小学生に人気であることがわかりました。
順位 | チャンネル名 |
---|---|
1位 | まいぜんシスターズ(263万人/2015年~) |
2位 | HikakinTV(1080万人/2011年~) |
3位 | すとぷりちゃんねる(172万人/2017年~) |
4位 | Fischer’s―フィッシャーズ(759万人/2013年~) |
5位 | P丸様。(253万人/2017年~) |
Hikakinやフィッシャーズは聞いたことがあるけど……
正直私は全然知りませんでした…💦
小学生男子の間では、You Tuberの『ゲーム実況者』も人気が高いです。
ゲーム実況者とはゲームプレイを配信する人のことです
オンラインでゲームを家庭教師する『ゲムトレ』により発表された、ゲーム実況で人気のYoutuberを見てみましょう。
ゲーム動画は子どもたちに親和性が高く、とくに男の子に人気ですね。
内容も自分のゲームプレイを公開するものだと「自分でも出来る」「やってみたい」と思うかもしれません。
なぜユーチューバーになりたいのか
子供たちがユーチューバーに憧れを抱く理由
憧れを抱くのはYouTubeを見る時間が長い(機会が多い)から
2020年からのコロナ禍により、外に出る機会が減ったことでYouTubeやSNSなどの動画を見る時間が増えました。
学研が主催する小学生白書で、2021年8月に行われた調査「小学生が通信機器にどれくらいの時間を費やしているか」によれば、
もっとも割合が高いのは「動画の閲覧(学習以外の目的で)」(77.7%)で、1日平均56分を費やしていることがわかった。次いで「ゲームをする(学習以外の目的で)」(74.9%)が1日平均52分であった。
学研総合教育研究所『小学生白書』
と書かれてあり、このことからみてもYouTubeに触れる時間の多いことがわかります。
なりたい職業は社会に影響を受けやすい
昔、まだ私が小学生だった頃の人気の職業は「野球選手」でした。
夕方になれば複数のチャンネルで野球中継を放送していた時代です。
時が経って平成5年にJリーグが誕生し、そこから少しずつサッカー人気が高まっていくと、人気の職業は「サッカー選手」となりました。
つまり、子供達は社会でもてはやされている(メディアの露出が多い)職業に憧れを抱く傾向にあると考えられます。
現代では、若年層のテレビ離れは顕著です。2021年にNHK放送文化研究所が発表した内容によると、10~20代の約半数は「テレビを見ない」ことが判明しています。
テレビを見ない若者は何に時間を使っているの?
10~20代の若者は、テレビよりインターネットを利用する時間の方が長いことが調査の上でわかっています。
テレビは「出られない」けどYouTubeは「出られる」
昔から「テレビっ子」などと言うように、テレビばかり見る子は存在していました。
「テレビばっかり見てないで勉強しなさい!」と叱られて渋々テレビを消す……なんてこともあったでしょう。
しかし、だからといって「テレビに関する職業につきたい」という声が多かったわけではありません。
YouTubeとテレビの違いは、テレビは「出たい」と言って出られるものではないのに対して、
YouTubeは出たければ「簡単に出られる」ということでしょう。
隣のお兄さんのような人たちが出ていたり、小学生やもっと小さな子供が主人公となるチャンネルも多数存在しています。そういったチャンネルを見ると、「自分にもできるのでは?」と思っても不思議ではありません。
YouTubeは誰でも簡単に始められるからハードルが低い
YouTubeで成功できるのか?
大金が稼げる?
子どもたちがユーチューバーになりたがるのは「大金持ちになれる」「有名になれる」と思っている節がありますが、実際にはさほど収入が見込めるものではありません。
YouTuberとして一番多い月収は「1~5万円」、次に多いのが 「1万円未満」でした。多くのYouTuberはおこづかい程度の収入しかないことが分かります。
セゾンの暮らし大研究より抜粋
YouTubeの収入源は広告ですから、動画が跳ねて視聴数があがれば高い月収を稼ぐ場合もあるようです。しかし勿論、視聴数を稼ぐことはそう簡単なことではありません。
子どもたちが参考にしているのはトップユーチューバーばかり
ユーチューバーを夢見る子どもたちが参考にしているのはトップユーチューバーばかりです。
基本的にほとんどのユーチューバーが収益を非公開にしているため、出てくるデータがトップユーチューバーばかりであるためともいえます。
ですが、その収益は桁違い。
Hikakin:1億5805万490円
Youtuberランキングサイト「チューバータウン」より抜粋
Fischer’s-フィッシャーズ-:2億4976万7869円
はじめしゃちょー:約1億124万円
スカイピース:1億272万7261円
ヒカル:約8,015万円
これらを参照すると、
ユーチューバーは稼げる!!
と思ってもおかしくはありません。
しかし生計を維持出来るほど稼いでいる(※月収30万円程度)ユーチューバーは2000人ほどで、乱立するチャンネルの0.3%程度とも言われています(2022現在)。
このことから見ても、夢のある職業ではあるものの職業として成り立たせるのは簡単ではないといえそうです。
ユーチューバーにさせたい?させたくない?保護者の意見は
株式会社クラレの調べによると、子どものなりたい職業に「ユーチューバー」がランクインするのに対し、保護者の就かせたい職業にはランクインしていません。
『2022年版 新小学1年生の「将来就きたい職業」、親の「就かせたい職業」』
保護者の意見としては出来ればなって欲しくないのでしょうか?
子どもに就いて欲しくない職業~ユーチューバーは何位?~
2022年4月、ARINA株式会社が運営する幼児、小学生の親御さん向けの教育メディア「おうち教材の森」によるアンケートで『子供に就いてほしくない職業』が調査されました。
結果は以下の通りです。
ダントツでユーチューバーが1位に
理由として以下のような意見があがっています。
・私生活をさらし犠牲にしてまで生計を立てるのは親としては反対です。
おうち教材の森
・成功しないと思うから。
・批判なコメントがたくさんあり傷つくからです。
・将来性がないから。
・収入が安定しないから。
ネガティブな意見が多いみたいね
2位の「芸能人」も”才能が無いと報われない””安定しない”などの言葉があり、安定感が足りず、生活していくのに苦労を伴うと思われることが懸念理由になっているようです。
YouTubeはオワコンか?
そもそも世間では「そろそろYouTubeもオワコン」なんて言葉も聞こえてきます。
2020年のコロナ禍では芸能人が続々とYouTubeに参戦しました。
同様にテレワークや在宅勤務が進み、通勤時間の短縮などからスキマ時間でYouTubeを始める人も増えたと言われています。
これによりYouTubeというコンテンツがレッドオーシャンと化し、これまで稼いでいたユーチューバー達は「収入が下がった」と語るようになってきました。
また、最近になってYouTubeを休止する芸能人もちらほらと出始め、これらのことから
YouTubeは稼げない=オワコン化
と囁かれるようになったようです。
稼げるかどうかは内容&やり方次第
たしかに休止を発表する芸能人も見られますが、それだけでオワコンとするのは早計です。
芸能人の主戦場はYouTubeではありませんから、本業のテレビや舞台、映画や営業などの仕事が忙しくなればYouTubeを休止せざるを得ないのは当然のことですよね。
そして一般の人が簡単に参入するようになった背景にもYouTubeが「得体のしれないもの」から「副業としてアリ」なコンテンツとして意識が変わったからといえます。
参入者が増えているのは間違いないってことか
1年以内に参入したユーチューバーでも登録者数を伸ばしている人はたしかに存在します。
『大金を稼げる』ことを別にしてみれば、同コンテンツでお金を得るのは工夫や頑張り次第で不可能ではなさそうです。
知人でも『片付け』に特化したチャンネルで
月に7~8万を稼いでいる人がいます
YouTube体験
さて、ここまでで子どもと保護者の考えに違いがあることが見えてきました。
しかし頭ごなしに「ダメ」と言ったところで子どもたちが理解するのは難しいかもしれません。
保護者としては
- ユーチューバーになるからと勉強を疎かになって欲しくない
- 簡単にお金を稼げると思って欲しくない
- 顔を晒して炎上騒動に巻き込まれて欲しくない
などを懸念しています。
ここまで意見が相反するのは、YouTubeというものの理解が双方で違うためでしょう。
好きな仕事でお金が稼げて有名になれる!
不安定で様々なリスクがありそう
子どもは簡単に捉えているし、保護者は不安を覚えている。
しかし実際に運営をしてみると見方は変わってきます。
ここからは我が家の体験談をお話します。
我が家の場合~親子でゲームチャンネルを運営中~
2021年からYouTubeチャンネルを運営中
我が家は2021年からゲームのチャンネルをもっています。
息子がフォートナイトのプレイを「投稿したい!」と望んだため立ち上げました。
立ち上げるにあたり、息子が見ているチャンネルをいくつもチェックをして彼の理想とするチャンネルを学習しました。
それまで動画編集の経験はなく、自分に出来ると思ってもいませんでした。
でも、思ったより名もなき素人(すみません)が投稿しているという事実を知り、試しにやってみるか!と決意したのです。
収益は
さて立ち上げから1年以上が経ち、正直収益は……ありません笑
息子も「稼げる!」と思っていたのが、今では「稼ぐのは難しい」と理解してきました。
(それでも夢は見ているみたいですが……)
顔出ししなくても運営出来る
ゲームチャンネルのいいところは顔出しをしなくても成立するところです。
同ジャンルは人気が高いうえに顔出ししなくてもいいという点から参入者が多いジャンルといえます。ですから、登録者を増やしたり、視聴回数を稼ぐには努力や工夫が必要といえます。
ですが、そこまでの熱意が親(私)になく、最初の頃は頑張ったりもしましたが今では細々と配信を続けている程度です。
子どもの満足度は
それで息子はどう思っているかというと……チャンネル登録者が少なくても「自分はYouTubeチャンネルを持っている」という満足感を持っているらしく、友達にじゃんじゃん宣伝しています。
俺のチャンネル見て!
子どもたちも「チャンネルを持っている友人」という点で「すごい人扱い」してくれるので、満足感があるのでしょう。
YouTubeを体験させてみる
私自身の経験から、チャンネル運営に興味を持っているのであれば「試しにやらせてみる」というのも悪くないと感じています。
企画を考えたり、動画を編集したりすることで
「自分はこれが好きかな」
「やり続けられるかな」
と考える機会にもなるでしょうし、続けられればスキルになります。
保護者の監督は絶対必要になりますので、忙しい場合は夏休みや冬休みなどの時間があるときに期間限定で運営してみるのも良いのではないでしょうか。
YouTubeはインターネットを考える機会になる
我が家はYouTubeを理解することでネットリテラシーや個人情報などについて教えるいい機会にもなりました。
子どもたちは親世代よりもずっとインターネットが身近です。
『危ないから近寄らせない』というのが、成り立たなくなっていく
そうであるなら、興味のあるときに一緒に学習してみる、体験してみるというのは決して悪いことではないでしょう。
まとめ
・小学生のなりたい職業でユーチューバーは人気!
・保護者で就かせたくない職業でもユーチューバーがダントツ!
・意見が相反するのはYouTubeを知らなすぎるから
・職業体験させてみることで双方に理解が進む可能性がある