高校生のスマホ時間は1日5時間が普通?

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こんにちは、高校生の娘を持つ母ねおゆっちゃんです。

高校生の娘が一日中スマホを触ってるのが気になります。

お子さんに専用スマホを持たせたのはいつからですか?我が家は高校生になってから。
それまでは1日2時間と決めて共用のスマホを使わせていたのですが、高校生になって「自分で管理させることも大事」と見守ってきました。しかしどんどん利用時間が長くなっていき…今ではトイレや風呂場にまで持ち込んでしまいます。

利用時間が長すぎると思うのですが、注意をしても「今勉強してるから」と返されるとそれ以上は何も言えません。
これが今どきの高校生なのでしょうか?

今回はそんな高校生のスマホ事情について書いていきます。

このコンテンツでわかること

  • 高校生のスマホ利用時間平均
  • スマホのシェア率
  • スマホ利用の目的
  • 長時間利用で指摘される問題
  • 制限は必要か

高校生のスマホ事情

結論だけ知りたい方はこちら

【2022年】国内のスマホシェア率

まずは(わざわざ書かなくてもわかりそうですが)国内のスマートフォンのシェア率についてみてみましょう。

総務省が2021年に発表した内容によるとスマートフォンの世帯保有率は88.6%にのぼり、NTTドコモのモバイル社会研究所が2022年1月に行った調査では、その所有率が9割を超えたことが発表されました。※携帯電話所有者の内(調査対象:全国・15~79歳男女

これにより国民のほとんどがスマートフォンを所有していることがわかります。

電車の中でもほとんどの人がスマホを見ているね

国民の9割がスマートフォンを所持

国民の9割が所有しているスマートフォンですが、高校生はというと、ほぼ100%が持っているとされています。その利用目的は主に『インターネット』とのこと。

内閣府が令和3年に発表した『青少年のインターネット利用環境実態調査』でインターネットを利用する際に使う機器はという質問で高校生はスマートフォンが主であるとの回答が得られました(表1)。

また、高校生ともなるとスマートフォンは専用で利用しているのがほとんどであることもわかっています(表2)。

表1)令和3年度⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査_⻘少年のインターネットの利⽤状況 -1(インターネット利⽤率)
表2)令和3年度⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査_⻘少年のインターネットの利⽤状況 –2(機器の専⽤・共⽤)

今どき自分のスマホを持っていない中高生を探す方が困難なのかもしれませんね。

高校生はスマホで何をしているか?(利用目的)

高校生がスマートフォンを使ってなにをしているかが以下の表です。
多いものから順に、『動画視聴(93.2%)』『音楽を聴く(88.9%)』『検索(86%)』『投稿やメッセージ交換(85.9%)』『ゲーム(74.2%)』となっています。

その他にも『地図』や『ニュース』『勉強』なども50%を超えており、多様な使い方がされていることがわかります。
近年ではコロナ禍によるzoom学習や、学習アプリによるホームワークなども一般化しており、学習としてスマートフォンを使用している場面は確実に増えているでしょう。

令和3年度⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査_⻘少年のインターネットの利⽤状況 –3(利⽤内容)

高校生は平均何時間ぐらいスマホを使うのか

さて、問題の利用時間を見てみましょう。

令和3年度⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査_⻘少年のインターネットの利⽤状況 -4(利⽤時間)

発表された内容では小学生以上の青少年がインターネットを利用する時間はほぼ1時間以上あることがわかり、全体でも半数の割合で3時間以上使用していることが伺えます。尚、5時間以上の割合も非常に高くなっています

■平均利用時間
小学生…3.5時間(5時間以上が21.9%)
中学生…4.5時間(5時間以上が35.5%)
高校生…5.5時間(5時間以上が46%)

高校生の半数が5時間以上インターネットを使用していることがわかりました。ただ恐ろしいのはその中でも25.2%が7時間以上と回答していることですΣ(゚д゚lll)ガーン

2014年にベネッセ教育総合研究所が発表した資料では、当時の中高生は平日の利用時間が約2時間。休日は3時間であることが確認出来ました。8年の月日で平均時間が実に2.5時間も伸びていることがわかります。

2012年に総務省情報通信政策研究所が『スマートフォン・ネットの依存傾向』を調べるために行った、高校生を対象にしたアンケートでは以下のような回答が得られました。

「ひまさえあれば、スマートフォンでネットを利用している」42.6%
「起きている間中、ずっとスマートフォンでネットを利用している」12.3%
『高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査』より抜粋

これはスマートフォン利用者全体でスマホ利用で経験したことに対する回答です。このことから、ほとんどの子どもたちがスマートフォンを手放せずにいて、「使いすぎている」と認識していることがわかります。

スマートフォンで世界を変えたiPhone。日本に上陸したのは2008年でした。当時はまだApple好きの人向けガジェットって感じでしたよね。私が最初に手にしたのはiPhone3s。まだまだ浸透にはほど遠く、電車内でみんなにジロジロ見られていたことを思い出します。
2011年発表のiPhone4s辺りから『高校生にスマートフォンは必要か?論争』が出始めた記憶があります。上記の表によれば、2012年の時点で「スマートフォンを常時触っている」とあるので、この頃から既にスマホの長時間利用は問題視されていたことが伺えます。

おまけで全体平均

ちなみに若者に絞らずスマホ所有率の高い15歳から59歳を対象に取ったアンケートの結果は以下のようになっています。

■15歳から59歳のスマホの利用時間
 「2時間以上3時間未満」19.7%
 「1時間以上2時間未満」16.3%
 「3時間以上4時間未満」16.1%

2021年版:スマートフォン利用者実態調査より抜粋

天気を見たり調べものをしたり、家族と連絡を取ったりとスマホを使用する機会は多いです。通勤時間や寝る前などのスキマ時間に思わずスマートフォンを触ってしまうのは、子どもだけというわけではなさそうですね。

長時間使用による問題点

平日で1日5時間以上の時間をスマートフォンに費やしている高校生ですが、スマホに充てる時間が増えたということは、なにか削られた時間があるということでもあります。

内閣府の発表で『スマホ利用により日常生活において時間の減った活動』として挙げられた項目を掲載します。

  • 睡眠時間
  • 勉強の時間
  • テレビを見る時間
  • 本を読む時間
  • 友だちと会う時間
  • 家族と顔を合わせて話す時間
  • 部活動の時間

スマホ利用により削られる睡眠時間

削られた項目で約半数を占めたのが『睡眠時間』です。

寝スマホの女性

下記はNTTドコモ モバイル社会研究所が2022年2月に発表した調査結果です。スマホ利用により睡眠時間が減った経験の有無では10代で「多々ある」「少しある」を合わせると7割が経験ありと答えています。

日本睡眠学会専門医の阪野勝久医師によると、

10代の子どもは、成長と発達の時期を過ごしているので、眠りの質と量が充足されることが大切です。もし、あなたの子どもが睡眠をうまくとっていないと、こころと体の病気を発症しやすくなります。さらに、眠気と集中力低下によって、学習能力が低下します。記憶力も落ちるので、勉強面での不安が問題になります。

阪野クリニックHPより抜粋10代に多い睡眠の症状の簡易診断

とあり、睡眠がいかに大切であるかを訴えています。

中高生の適切な睡眠時間は

内閣府発表の『子ども・若者白書』によると、高校生の平均睡眠時間は約6時間半だそうです。
しかし米国の国立睡眠財団が推奨する時間は8時間~10時間とされています。1時間半も少ないことになりますね。

よく寝る猫
よく寝る猫

8~10時間!ぼくが言うのもなんだけど、それはさすがに寝すぎでは…

いまの高校生は何時に寝てるのか

ついでに今の高校生が大体何時に寝ているのか調査してみました。

高校生新聞オンラインが2021年に行った『高校生の睡眠時間』アンケートによると、高校生の平均就寝時間のトップ3が以下の通りであることがわかりました。

  • 24時頃…22%
  • 23時半頃…16%
  • 24時半頃…15%

ほとんどの高校生が23時半~24時半の間で就寝しているということですね。

これがスマホの影響によるものかどうかですが、内閣府が発表した若者の生活行動に関する調査を見てみるとあることがわかります。

平成18年(2006)…23時58分
平成23年(2014)…23時48分
※15~19歳を対象。平日の平均就寝時間/(出典)総務省「社会生活基本調査」

あれ?今とそんなに変わってない?

スマホのなかった時代とスマホが高校生に浸透し始めた時代とを挙げましたが、現在とさほど変わってはいないようです。起床時間も同様に昔に比べて遅くなった…というわけではないようでした。

我が家も頭痛の種は『睡眠時間の減少』です。遅くまで起きている時間が増えて、朝起きにくくなったり、夜遅い時間に甘い物を食べて「ニキビが増えた」と大騒ぎしたり。以前は読書家だったのに、いつの間にか参考書以外の本も読まなくなってしまいました。

心身に与える影響

現在、スマートフォンを無くして生活するというのはほとんど不可能といえる程、生活に浸透しています。しかし長時間使用により日常生活に支障をきたしている例もあるので心配はつきません。

そんなに長い時間スマホを見ていて身体に影響はないの?

内閣府の発表した『⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査』では、

不登校の女の子
  • 以前に比べて引きこもるようになった
  • ずる休みをしたことがある
  • 友達を失った
  • 病院にかかったことがある
  • 試験に失敗した

などのように深刻な悪影響を及ぼしていると思われる例から、
【目が悪くなる】【姿勢が悪くなる(スマホ首)】といった点で注意喚起されています。

何時間以上でスマホ依存といえるか

もしかしてうちの子はスマホ依存…?

あまりにスマートフォンを手放せない状況が続くと、我が子がスマホ依存症になってしまったのではないか心配になりますよね。

厚生労働省研究班の調査研究によると、ネット依存が疑われる中高生は全国で93万人にのぼるそうです。※2018年時点

ネット依存とは、「勉強や仕事といった生活面や体や心の健康面などよりもインターネットの使用を優先してしまい、使う時間や方法を自分でコントロールできない」状態のことを指します。

NHK健康チャンネル『ネット依存症とは?問題点や健康への影響、原因と対策について』より抜粋

実は『〇時間以上は依存』という明確な定義はないみたいです。やはりどれだけ日常生活に支障をきたし、手放せない状態の度合いがどれほどかというすべてで依存傾向があるかを判断するようです。

久里浜医療センターが公開している『インターネット依存度テスト』ではどういった点で依存度が疑われるかがわかるので、チェックしてみるといいヒントになるかもしれません。

スマホを制限すべきか

『スマホの長時間利用は体に良くないから制限すべき!』と書いてあるサイトをちらほら見かけます。
たしかに成長過渡期の小中学生はある程度の制限をした方がいいとは思うのですが、高校生に制限となるとなかなか…と感じます。

依存症の研究では『厳しすぎる制限はよくない』と結果が出ているそうです。

思春期にあたる年代の子どもの場合、ネット使用に関する厳しすぎるルールや親による監視は、ネット・ゲーム依存のリスク要因になりうることが研究によって分かっています

ネット・ゲームの厳しすぎる使用制限は逆効果? 専門家が勧める「ペアレンタルコントロール」

私たち親世代は、ファミコンの時代から時間が、欲求があるのに我慢させる、という行為は、依存症の研究により、より欲求を強めてしまう結果が報告されています。制限を刷り込まれていますし、「子どものときに経験したほうがいいことは、YouTube以外にたくさんある」との思いから、子どもに、なるべくスマホとの接触時間を減らそうとします。
が、欲求があるのに我慢させる、という行為は、依存症の研究により、より欲求を強めてしまう結果が報告されています。

時間制限はNG。「スマホを自由に使うためのルール」こそが、依存症の研究からも正しい

私も長男が中学生の頃は、昼夜を問わずにスマホやゲームをしまくる我が子を見るのがとっても苦手でした。ホントにね、見るだけでイライラしました〜〜。でも、ここで親が「規制・制限」しようとすると、大抵、無駄に終わります(泣)
親が規制・制限すればするほど、やりたくなるのが「スマホ」です。

スマホ依存の高校生に制限・規制は逆効果?知っておきたいNGワードと親の心得

制限されるとさらにやりたくなる…はよく言われることですよね。
我が家は制限していませんが、中学まで制限した反動でしょうか…中毒じゃないの?と言いたくなるほどスマホを手放すことがありません(´;ω;`)

ルールを子どもとつくる

制限に効果がないといって放置するのではなくルールを決めるのがいいと言われていますね。そのルールも親が一方的に作ったものでは反発されるので、子どもと一緒に作るのがいいそうです。

いやいや、ルール守ってないじゃん!と、結局苛々しそうな気がするのは私だけでしょうか…

いずれにしても問題が起きてから慌ててルールを作ろうとしてもなかなかトラブルになりそうなので、早い段階で(スマホを持たせるタイミングとか、思春期こじらせる前に)話しておけたら良さそうですね。

まとめ

わかったことは以下です。

  • 今どきの高校生は長時間利用が当たり前
  • スマホはほぼ100%が持っている(時代)
  • 長時間利用により睡眠時間が削られている
  • 制限は無意味であるのでしない方がいい

これだけ見ると救いがないような気もしますが…

最後に

我が家の娘が依存症になっているのではないか…と心配しましたが娘だけの問題ではなさそうです。
課題をやるのに「ニュースをチェックしなきゃならない」とか、「事例をピックアップしなきゃ」とせっせと検索していることもあれば、身支度や寛いでいる状態で音楽を流していることも。

今娘は高3は受験生なので大丈夫かと心配ばかりが募ります。しかし娘によれば「やめようと思えばやめられる」とのこと。こちら(母)からすると「絶対嘘だ」と思ってしまうのですが…。
この間も試験期間なのにずっと動画を見ていると覗き見したところ、『トライの映像授業』でした。
勉強もインターネット活用の時代にあるということみたいです。

教育デザインラボ代表理事の石田勝紀さんは、「スマホやゲームばかりする子はそれよりも面白いものに出会ってない」と書かれています。
参考:「スマホ中毒の中高生」を救うただ1つの方法

来年には大学生になるのにこのままの状態で家を出していいものか?と心配でしたが、大学生になって新しい生活が始まれば、違う興味も湧いてくるのかな?と思うようになりました。そうなれば自然とスマホの時間が減るのかもしれません。とりあえずは子どもを信じて見守るしかないかな…と思っているところです。

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