現在小学5年生の息子が、「自分のスマホが欲しい」と言い出しました。聞けばクラスの半数は自分専用のスマホを持っているらしいのです。
小学生で自分のスマホって早くない?
でもうちに来る友達もスマホを持ってる子が増えてきたような…
そこで2022年現在、小学生のスマホ事情について調査してみました。
小学生のスマホ所持率
小学生のスマホ所持率は約4割
夫婦共働きが当たり前になりつつ現代で、子どもに携帯電話を持たせる親が格段に増えました。
しかしそのほとんどはキッズケータイであったはずですが、2022年になり、状況は変わってきたようです。
下記はNTTドコモのモバイル社会研究所が2021年11月に発表した『自分専用のスマホ所持率』調査の結果です。
これによると、小学生でも全体の36%が自分専用のスマホを所持していることがわかります。
低学年ではスマートフォンよりキッズケータイの方が所持率は高いようです。
しかし高学年になると半々ぐらいになりますね。
※このスマホ所持率調査は2020年時点のものであるため、2年が経過した今、状況は変わっている可能性が高いです。
小学生が自分専用のスマホを持った年齢は?
保険マンモス株式会社が2022年4月に発表した調査によると、子どもに初めてスマホを持たせたのは中学1年生という回答が最も多く、全体の23%でした。
次に多いのが小学5年生・6年生の高学年で全体の20%。次は低学年で16%です。
参照:子供にスマホをいつから持たせる?350人の保護者にアンケート!
小学生の親が子どもにスマホを持たせたきっかけ
同じく保険マンモス株式会社の調査から抜粋すると、スマホを持たせたきっかけ1位~5位は以下の通りです。
- 周りの子供が持っているから
- 習い事の連絡手段が必要なため
- 緊急時の連絡手段として
- 子供が欲しがったため
- 位置情報の把握・安全のため
調査結果では「周りの子供が持っているから」という理由でスマホを持たせるきっかけとなったことが最も多いことがわかりました。仲のいい友達が持っているのを羨ましく思ったり、「(LINEなどの連絡ツールで)やり取りしたい」と思う気持ちが生まれるのかもしれません。
我が家も「仲のいい友達が持ってて自分だけやり取りが出来ないから」と言っていましたね
小学生にスマホは必要か
そもそも小学生にスマホは必要なのでしょうか?
中学生にもなれば部活の連絡網が全部LINEだと聞くし、持たせないわけにはいかないかもしれないけど…小学生で必要とも思えないけど…
固定電話のない家庭が増えている
総務省が2022年5月に発表した「通信利用動向調査」によると、実は、2022年現在で固定電話の保有率は66.5%と総務省の調査で発表されています。
参照:総務省「通信利用動向調査」2022年5月発表
ライフスタイルの変化により共働き家庭が増えたこと、オレオレ詐欺の増加などで固定電話を持つメリットが薄れていると考えられます。また携帯電話の普及率がほぼ100%になった今では、連絡手段に困ることがないことから、解約が進んでいる傾向にあるようです。
このことから家庭に固定電話がない場合が想定され、友達との連絡手段がないことが考えられます。
小学生にあがり、キッズケータイを与えられる子供も増えました。
しかし、キッズケータイは制限がかけられているため誰でも自由に通話やメールのコミュニケーションが取れるものではありません。登録が必要ですが、登録するには親が設定しなければなりません。
キッズケータイに登録していいかを相手の親に確認を取らなきゃならないけど、認識もないし…
小学生にスマホを持たせるメリット
子供にスマホを持たせるメリットは、
すぐに連絡が取れる(緊急時の連絡)
どこにいるのかがわかる(居場所の把握)
知りたいことを自分で調べられる(知的好奇心の補完)
という利点があります。
キッズケータイで友達同士を繋げてあげることが出来ても、キャリアが違うとメールが出来なかったり大きい画像ファイルは送れないなど
小学生にスマホを持たせるデメリット
逆にデメリットとしては、
目が悪くなる(長時間使用により)
姿勢が悪くなる(スマホ首など)
トラブルに巻き込まれる可能性がある(ネットいじめ、有害サイトへのアクセスなど)
として、不安な点も拭えません。
小学生のスマホトラブル事例
2021年に産業新聞に、小学生がスマートフォンを使用して見舞われたトラブルについて書かれていたものがあるので要約します。
Aさんは小学4年生で自分専用のスマートフォンを所持しました。
小学5年生になり、スマートフォンの利用も慣れた頃、あるSNSで知り合いの犬を撮影した画像を犬の所有者から許可を得て投稿しました。
ところが投稿を見たクラスの女児から「他人の犬の写真を勝手にあげた」と指摘され、炎上する事態になってしまいました。
その後火消しを図ったもののうまくいかず、学校にもネットにも居場所がないとふさぎこみ、不登校になってしまいました。
これに限らず些細なことで炎上するのはよくあること。ネット上では一度疑いをかけられると、ものすごいスピードで情報が走ってしまうため回収は容易ではありません。一人の疑いを晴らしても、すでに100人にいきわたっている可能性があるのです。
親は管理しきれているか
昨今のニュースでは未成年が犯罪に巻き込まれる事例が多々報道されています。
警視庁のまとめによると、被害者の多くは中高生であるものの、小学生が巻き込まれるケースもここ5年で急増しているとか。昨年1年間の間で犯罪に巻き込まれた小学生は84人にのぼると発表しています。
【犯罪の内容】
・青少年保護育成条例
・児童ポルノ
・児童買春
・略取誘拐
…など
このような犯罪はSNSを通じて行われるものがほとんどで、利用したSNSの中でもTwitterを起因とするものが全体の35%強を占めているそうです。
(※2021年3月発表)
今ではサービスが終了した学生限定のSNSアプリ「ひま部」では、学生を装った成人男性が、知り合った中学1年生の女子生徒に暴行するという事件がニュースを騒がせたこともあります。
フィルタリングを設定することの大切さが伺えますね
「知らなかった」じゃすまされない!SNSの利用可能年齢
実はSNSには利用可能または推奨の年齢があるのを知っていますか?
ほとんど多くのSNSは規約上13歳以上を対象としています。
SNS | 年齢 | 13歳未満の利用 |
LINE | 12歳以上 | 12歳未満は不可 |
13歳以上 | 保護者の同意があれば可 | |
YouTube | 13歳以上 | 保護者の同意があれば可 |
13歳以上 | 不可 | |
Tik Tok | 13歳以上 | 不可 |
13歳以上 | 不可 |
2021年4月に発表された東京都の「家庭における青少年のスマートフォン等の利用等に関する調査」からは、およそ4割の保護者が、年齢制限があることを「知らなかった」と回答していることがわかります。
小学生のSNS利用で最も多いのはLINEで、スマホを使用する小学生の約7割が使用しているとされています。
そういえば、娘も息子も「LINEで友達とやり取りしたい」が最初のアプローチでした
まとめ
- 小学生が自分専用のスマホを持っている率は4割
- 学年では高学年から持ち始める傾向にある
- スマホを持つきっかけは「周りが持ち始める」から
- 小学生が犯罪に巻き込まれる割合が増えている
- SNSの対象年齢は13歳以上がほとんどである